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YCAM Re-Marks

LabACT 視線を通じて世界と繋がる。―視線入力技術

視線による表現の可能性を拓く―
テクノロジーと芸術表現の創発的関係の最前線

情報コミュニケーションテクノロジーやメディアテクノロジーの応用可能性や接続可能性を、芸術を起点に、医療や福祉、地域産業といった幅広い視点から紹介する展覧会シリーズ「LabACT」。第一弾となる今回は「視線入力技術」をテーマに、YCAMのスタッフが開発に携わったオープンソースの視線入力装置「The EyeWriter」の最新版を取り上げ、会期を2つに分けて、3組のアーティストによる新作インスタレーションを発表した。
ひとつのテクノロジーを起点に、独創的なアイディアを反映した多様な作品を紹介する本展を通じて、シェアの思想を踏まえた〈研究〉と〈開発〉がもたらす社会と芸術との新たな関係性を提示した。
日時
2011年10月1日〜2012年3月25日
会場
スタジオB、ホワイエ
ポスター、フライヤーなど

作品

The EyeWriter 2.0

The EyeWriter 開発チーム

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The EyeWriter 2.0

The EyeWriter 開発チーム

ALS(筋萎縮性側索硬化症)に羅患し、全身が麻痺してしまったアメリカのグラフィティアーティスト、TEMPT1(テンプト・ワン)に再び絵を描かせようと2010年に始まったプロジェクト。アーティストやエンジニアをはじめ、世界各地の多くの参加者によって、オープンソースソフトウェアと手軽なデバイスによる、目の動きだけで絵を描く装置が開発され、現在も改良が進められている。
本展で紹介した最新版「The EyeWriter 2.0」は、YCAMのスタッフも開発に携わっており、内蔵されたドローイング機能や、ゲームなどのコンテンツを通じて、視線を用いた芸術表現の可能性に楽しく触れることができる。

The EyeWalker (YCAM委嘱作品/世界初公開)

エキソニモ

目だけの存在になって散歩する

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The EyeWalker (YCAM委嘱作品/世界初公開)

エキソニモ

目だけの存在になって散歩する

視線の動きを頼りに、空間を跳躍していくインスタレーション。
YCAMの様々な場所にビデオカメラ付きモニターが配置されており、体験者がいるブース内のモニターには、それらからの中継映像が映し出されている。体験者がその中継映像に映り込む他のビデオカメラ付きモニターを見つめると、見つめた対象のビデオカメラが映す会場の風景へと次々に切り替わり、その過程で体験者の映像に対する没入感は極端に増幅され、現実の空間を猛スピードで次々に跳躍するかのような感覚がもたらされる。
巡回情報
  • 2012年2月10日〜26日 第4回恵比寿映像祭
    会場: 恵比寿ガーデンプレイス(東京)

eyefont (YCAM委嘱作品/世界初公開)

セミトラ

視線でつくる世界で唯一のオリジナルフォント

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eyefont (YCAM委嘱作品/世界初公開)

セミトラ

視線でつくる世界で唯一のオリジナルフォント

視線の動きで、フォント(文字書体)をつくり出すソフトウェアアート。
体験者がいるブース内のモニターには、体験者が事前に入力した任意の文字列の輪郭線が表示されており、それを視線でなぞっていくことで、文字を書いていく。人間の視線という、細部までは制御できない入力デバイスで書かれる文字は、書く人の身体性を否応なくダイレクトに反映した個性豊かなものになっており、これらは作品の特設ウェブサイト上にデータベース化され、閲覧することができる。また、視線のデータをもとにしたTシャツなどのプロダクトも展開している。

作品の特設ウェブサイト:
EYEFONT
巡回情報
  • 2015年10月16日〜11月3日 Tokyo Midtown DESIGN TOUCH
    会場: 東京ミッドタウン(東京)

Eye-Tracking Informatics (YCAM委嘱作品/世界初公開)

三上晴子

視ることそのものを視る

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Eye-Tracking Informatics (YCAM委嘱作品/世界初公開)

三上晴子

視ることそのものを視る

2名の体験者の視線の軌跡をトラッキングし、3次元仮想空間内に可視化していくインスタレーション。
三上の90年代の代表作「Molecular Informatics」の基本的なコンセプト「視ることそのものを視る」「視線を成立させる意識と無意識の連鎖」をベースに、今日の技術を積極的に導入し、その表現部分を大幅にアップデートするかたちで制作した。会場には2面の巨大スクリーンと、それに対応するように視線検出用デバイス「The EyeWriter 2.0」が組み込まれた椅子が設置されており、体験者はこの椅子に座り、スクリーンに映し出される3次元仮想空間の映像を体験していく。体験者の視線の方向に応じて、3次元仮想空間に線状の構造物が生成され、それが成長していくプロセスを通じて、体験者は普段意識することが無い視線の触覚的な側面を体感していく。
巡回情報
  • 2012年11月14日〜12月15日 SOFT CONTROL: Art, Science and the Technological Unconscious
    会場: Koroška Art Gallery(スロベニア)

  • 2011年12月9日〜18日 欲望のコード
    会場: NTTインターコミュニケーション・センター[ICC](東京)

クレジット
サウンド・プログラミング:evala
ビジュアル・プログラミング:平川紀道

イベント

シンポジウム「The EyeWriterをめぐって―開発と共有の先に見えるもの」

2011年10月1日

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シンポジウム「The EyeWriterをめぐって―開発と共有の先に見えるもの」

展覧会のオープンを記念して、本展アーティストのザッカリー・リーバーマン、エキソニモ、セミトラに加えて、ヒューマン・インターフェース研究者の安藤英由樹を迎え、シンポジウムを開催した。
シンポジウムでは、「The EyeWriter」の事例を中心に、技術が生み出す表現の可能性や、現在盛り上がりを見せつつあるシェアカルチャーの未来などについて議論をおこなった。
日時
2011年10月1日
会場
スタジオA
クレジット
パネリスト:ザッカリー・リーバーマンエキソニモセミトラ、安藤英由樹
モデレーター:阿部一直(YCAM)、伊藤隆之(YCAM InterLab)

プロフィール

クレジット

主催:

  • 公益財団法人山口市文化振興財団 

後援:

  • 山口市
  • 山口市教育委員会

支援:

  • 文化庁「平成23年度メディア芸術人材育成支援事業」

協賛:

  • 株式会社資生堂

共同開発:

  • YCAM InterLab

企画制作:

  • 山口情報芸術センター[YCAM]
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