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Beyond the sunbeam through trees―木漏れ日の向こうに

平川典俊

多様な表現手法の融合によって表現される、
人間の内面に潜む意識の流れ

1980年代から、社会を挑発するかのような刺激的な作品を多数発表し、人間の自由意志に対する個人の認識を問い続けてきた平川典俊。本展では、平川がこれまでに発表した写真作品や映像作品も交えながら、「自己と他者との意識の調律」をテーマに、パフォーマンスやサウンドアートの要素を取り込んだ複合的な新作インスタレーションを発表した。
孤独を抱える女性をモチーフに、その内面に潜む感情の揺らぎを、光/映像/サウンド/身体の多様かつ繊細なインタラクションによって表現した新作を通じて、他者との関係がもたらす内面のポジティブな変化、そうした変化を希求する人間の原初的な欲求を顕在化させ、根源的なエネルギーへと導かれる意識の流れを明らかにした。
日時
2011年5月28日〜8月21日
会場
スタジオB

作品

Beyond the sunbeam through trees―木漏れ日の向こうに (YCAM委嘱作品/世界初公開)

平川典俊+ミヒャエル・ローター+安藤洋子

〈光〉となって、他者の精神と身体を解放する

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Beyond the sunbeam through trees―木漏れ日の向こうに (YCAM委嘱作品/世界初公開)

平川典俊+ミヒャエル・ローター+安藤洋子

〈光〉となって、他者の精神と身体を解放する

人間の意識や根源的なエネルギーの発露を表現するインスタレーション。
会場中央には、半透明の膜で覆われた立方体状の構造物が設置されており、その内部には女性の彫刻が置かれている。鑑賞者が構造物の傍らにあるルームランナーに搭乗し、歩き始めると、構造物の側面に安藤洋子が演じる女性の映像が徐々に現れ始め、ミヒャエル・ローターによるサウンドが照明とともに会場内を包み始める。鑑賞者の歩行量が増えるにつれて、最初は物憂げだった女性は活発さを増し、会場内を包むサウンドもより明るい曲調へと変化していく。観客の参加によって稼働する本作のシステムを通じ、閉塞した個人の意識が他者の存在によってポジティブな方向へと感化されるという人間の精神が持つ基本的な方向性、そして、鑑賞者自身に内在するエネルギーの存在を実感する。
巡回情報
  • 2012年4月14日〜6月10日 木漏れ日の向こうに
    会場: 群馬県立近代美術館(群馬)

クレジット
ディレクション:平川典俊
パフォーマンス:安藤洋子
サウンドコンポジション:ミヒャエル・ローター
映像編集:田邊アツシ
映像編集アシスタント:田邊るみ、ロマン・ユビモウ・ダッコ
写真撮影:田邊アツシ、田邊るみ、ロマン・ユビモウ・ダッコ
スカルプチャー制作監修:中野良寿(山口大学教育学部准教授)、上原一明(山口大学教育学部准教授)
スカルプチャー制作:小林愛(山口大学教育学部)

Streams By The Wind - Spring Fever -

平川典俊

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Streams By The Wind - Spring Fever -

平川典俊

スライドプロジェクションシリーズ「Streams By The Wind」の最初のインスタレーション。80枚のイメージで構成されており、人間同士の自由意志にもとづく相互関係を、神話的ドラマトゥルギーを超えて展開する。

母は私、私は娘

平川典俊

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母は私、私は娘

平川典俊

母娘が潜在的にまとう異性の気配を表現した写真作品。
娘がボーイフレンドとデートをする時の服を着た母親と、母親が夫とベッドに入る時の服を着た娘が、自宅で並んで写真に収まっている。写真から漂う不穏な気配は、互いの不釣り合いな服装のためでも、あるいは他人の家を覗き見しているような感覚に陥るためでもなく、彼女たちがまとっている「見えない異性」の存在によってもたらされている。「見えない異性」とは、娘にとっては昼間の父親の姿からは想像もつかない性的な存在としての父親であり、母親にとっては若くてかっこいい(はずの)娘のボーイフレンドである。

BRAVO

平川典俊

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BRAVO

平川典俊

アメリカの核実験によって被曝した民間人へのインタビュー映像。
1954年3月1日、アメリカが中部太平洋に位置するビキニ環礁で、核実験「ブラボー」を実施。その際、近海で漁業に従事していた漁船「第五福竜丸」の乗組員全23名が被曝した。この作品では、その生存者の1人である大石又七氏にインタビューをおこない、実験についての貴重な証言を記録している。2007年収録。

FATMAN

平川典俊

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FATMAN

平川典俊

アメリカが長崎に投下した原爆によって被曝した民間人へのインタビュー映像。
1945年8月9日、アメリカが長崎市の浦上天主堂のほぼ真上にプルトニウム型原爆「ファットマン」を投下。市街地は壊滅し、犠牲者は10万人以上に上った。この作品では、当時爆心地のすぐ近くのカソリック女学校に通っていた米田千代乃氏にインタビューをおこない、大半の友人と教師の命を失い、原爆症に苦しみながら生きてきた氏の人生についての回想を記録している。2007年収録。

イベント

関連上映

2011年7月29日〜8月14日

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関連上映

本展アーティストの平川典俊が演出を手がけたビデオダンス作品『モンペリエの何もない時間』、同じく平川がプロデュースを手がけたドキュメンタリー映像『ベニチオ・デル・トロが新藤兼人監督に「映画」の話を聞いた』、そして後者の作品に関連する新藤兼人監督作品3本を上映した。

  • 『モンペリエの何もない時間』(2001年)
  • 『ベニチオ・デル・トロが新藤兼人監督に「映画」の話を聞いた』(2011年)
  • 『原爆の子』(1952年/監督:新藤兼人)
  • 『第五福竜丸』(1958年/ 監督:新藤兼人)
  • 『ある映画監督の生涯』(1975年/ 監督:新藤兼人)
日時
2011年7月29日〜8月14日
会場
スタジオC

プロフィール

クレジット

主催:

  • 公益財団法人山口市文化振興財団

後援:

  • 山口市
  • 山口市教育委員会

助成:

  • 公益財団法人朝日新聞文化財団

支援:

  • 平成23年度優れた劇場・音楽堂からの創造発信事業

協力:

  • ワタリウム美術館
  • 群馬県立近代美術館
  • WAKO WORKS OF ART
  • Gallery HAM
  • NANZUKA UNDERGROUND
  • トモ・スズキ・ジャパン

機材協力:

  • カラーキネティクス・ジャパン株式会社

技術協力:

  • YCAM InterLab

企画制作:

  • 山口情報芸術センター[YCAM]
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