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YCAM Re-Marks

ミニマム・インターフェース

メディアと身体を通じてつながるもの―
コミュニケーションをインターフェースから考える

ユーザー(観客)の身体感覚や知覚を開放させることでインタラクションを生起させる〈未来のインターフェース〉をテーマとしたグループ展。ウェブサイトやデジタルサイネージなどに代表される「インタラクティブ・デザイン」の領域に留まらず、YCAMがこれまで開拓してきた〈アート+身体表現〉の視点を踏まえたうえで、映像、写真、アニメーション、サウンド、建築オブジェ、プロダクトデザインなど、多岐に渡る領域の中から、身体感覚に直接訴えかけるインターフェースを持った国内外8組のアーティストの作品を一挙に紹介した。また本展では、観客を誘導する会場サインを「作品と鑑賞者の新しい関係性を築くインターフェース」として位置づけており、最新の情報技術を導入した会場ナビゲーションシステムを新たに開発し、使用した。
ナビゲーションシステムも含めた展覧会全体をを通じて、作品が生み出すプロセスや、その背後にあるシステムへの関心を喚起するとともに、情報と表象との新たな関係を築くインターフェースの可能性を示唆した。
日時
2008年11月1日〜2009年2月8日
会場
スタジオB、ホワイエ、2階ギャラリー
特設サイト
http://minimum.ycam.jp/
ポスター、フライヤーなど

作品

on the fly

山中俊治+緒方壽人(リーディングエッジデザイン)

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on the fly

山中俊治+緒方壽人(リーディングエッジデザイン)

16個の穴が開いたフライヤーを、会場内の3ヶ所に設置されたナビゲーションテーブルに載せ、それぞれの穴を指でふさぐことによって、展覧会や作品の情報が表示される。このシステムには高精度の形態検出技術が組み込まれており、フライヤーがテーブルの上にあれば、どの位置でもどの向きでもその状態を検出し、情報を瞬時に表示することができる。
多種多様なメディアが混在/競合する現在、「紙」という原初的なメディアが持つ存在感や直感性を改めて見直し、最新の情報技術と組み合わせることによって、展覧会の新たなナビゲーションの可能性を試みている。
クレジット
フライヤーグラフィックデザイン:good design company
サウンドデザイン:松井敬治

Reactable (日本初公開)

セルジ・ジョルダ+マルティン・カルテンブルネル+ギュンター・ガイガー+マルコス・アロンソ

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Reactable (日本初公開)

セルジ・ジョルダ+マルティン・カルテンブルネル+ギュンター・ガイガー+マルコス・アロンソ

歌手ビョークのワールドツアー「Volta」で演奏されたことをきっかけに、大きな注目を集める電子楽器『Reactable』のインスタレーション版。
光る円卓上に置かれた多数のオブジェには、ループ音源、オシレータ、フィルタなどさまざまな機能が割り当てられており、鑑賞者はこれらを移動/回転させ、オブジェ同士の関係性をデザインすることで、音楽と映像を演奏することができる。円卓に投影される映像がオブジェの機能やパラメーターを随時ナビゲートしており、また今回、インスタレーション化することによって、複数のプレイヤーが同時に演奏できるようになったため、観客は演奏方法を直感的かつコラボレーティブに学習、習得することができる。

純粋φ―Abstract Painterly Interface (YCAM委嘱作品/世界初公開)

久保田晃弘

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純粋φ―Abstract Painterly Interface (YCAM委嘱作品/世界初公開)

久保田晃弘

大型スクリーンに投影される、映像絵画としてのインターフェース。
スクリーンの手前に4つのデジタルカメラが設置され、階段状のフィールド内にいる観客の動きを常にサーチしている。通常はこのデジタルカメラに入ってくる物体の動きをコンピューターがベクトル化し、そのデータをもとに、スクリーン内のドットをランダムに流動させているが、コンピューターが人間の身体や顔を認識すると、鏡のようにその姿を再構築する。また、観客の動きに応じて、フィールドを照らす照明の色が様々に変化し、スクリーンに映し出される映像に影響を及ぼしている。
クレジット
カメラコントロール用プログラム開発:比嘉了

Floating Compass

山中俊治+緒方壽人(リーディングエッジデザイン)

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Floating Compass

山中俊治+緒方壽人(リーディングエッジデザイン)

水面という、空気と水面とのインターフェースが持つ微細な感触を表現した作品。 超撥水性素材を塗布した1枚の紙から、 4つの脚を持ち、磁化させた小さな針を抱えたアメンボのような構造体を制作。穏やかな水面にこれを載せると、地磁気に反応して、ゆっくりと回転を始め、針が北を向いたところで静止する。本展では、水面下にコンピューターによってコントロールされる回転磁界を設置し、複数の『Floating Compass』をシンクロさせている。

Card play (YCAM委嘱作品/世界初公開)

ザカリー・リーバーマン+テオドア・ワトソン

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Card play (YCAM委嘱作品/世界初公開)

ザカリー・リーバーマン+テオドア・ワトソン

トランプをインターフェースに、様々な「魔法」を繰り広げることができるインスタレーション。
作品空間には観客がトランプを並べるテーブルと、テーブルの上の様子が映し出されるスクリーンが設置されており、観客はテーブルにトランプを並べていく。トランプを裏返したままでは何も起こらないが、一旦カードをめくると、スクリーン内のテーブルを舞台に、トランプの表面からハートやスペードなどのマーク(スート)が剥がれ、空中を飛び交ったり、それに合わせて音楽が再生されるなど、現実では起こりえないような出来事が、あたかも起きているかのように次々に展開していく。画像認識技術と強化現実技術を活用したこの作品を通じて、観客はマジシャンになったかのような体験ができる。

Liquid Space 6.0 (YCAM委嘱作品/世界初公開)

ダーン・ローズガールデ

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Liquid Space 6.0 (YCAM委嘱作品/世界初公開)

ダーン・ローズガールデ

有機的な形態をした建築的オブジェ。
観客がこのオブジェに観客が接近すると、オブジェの頂点部分に位置する球体に内蔵されたセンサーによって、観客の位置やオブジェとの距離が計測され、それに合わせて3本のアームが水中の生物のように伸縮し、空間の形態を変容させる。このとき同時に、アームや球体に内蔵されたLEDが様々な色に発光し、オブジェからはサウンドが出力される。観客はこの巨大なオブジェの中をくぐり抜けたり、近づいたりしながら、形と空間全体のインタラクティブな変化を体感していく。

H2Orz (YCAM委嘱作品/世界初公開)

SHINCHIKA

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H2Orz (YCAM委嘱作品/世界初公開)

SHINCHIKA

縁日でおこなわれる「人形すくい」の光景が発端となって制作されたアニメーション作品。
ロボットアニメや魔法少女といった様々な物語の住人であるキャラクターたちが、水槽の中にごちゃ混ぜにされ、変形を繰り返していくうちに、最終的にはそれぞれの物語が無化され匿名的で記号的な男女のフィギュアとなっていく。日本のポップカルチャーへの距離感やその思いが、無色透明な存在の象徴でもある「水」を媒体として映像化されている。
巡回情報
  • 2009年12月15日〜26日 First Passage
    会場: アートコートギャラリー(大阪)

  • 2009年11月1日〜29日 わくわくJOBAN-KASHIWAプロジェクト
    会場: 旧柏シネマサンシャイン(千葉)

  • 2009年6月12日〜7月12日 What Is Real? - The 9th Photo Festival
    会場: Gana Art Center(韓国)

lineup

SHINCHIKA

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lineup

SHINCHIKA

プラモデルにまつわる男の子と女の子の幼い頃の記憶と出会いが描かれたアニメーション作品『JSCO』をもとに、キャラクターをサンプリングして制作されたオーディオヴィジュアル・インスタレーション。会場となるホワイエに設置された巨大なスクリーンには映像のみが投影され、ホワイエを挟んだ両サイドの中庭には映像と同期した異なるサウンドトラックがそれぞれ再生されており、鑑賞者はどちらか一方の中庭からガラス越しに映像を鑑賞する。

JSCO

SHINCHIKA

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JSCO

SHINCHIKA

日々の生活の中での風景や日本の80年代以降のサブカルチャーの要素を抽出し、イラストや 3DCGを混成的に多用したアニメーション映像と、その映像の中に登場する3Dモデルのデータを設計図とし、実際に立体的に組み立てたオブジェからなるインスタレーション。ここでは、アニメーション映像を、映像にまつわる様々な手法と空間表現をつなぎ、現実を描写するインターフェースとして提示している。
田舎に住む少女が都会で少年と出会うという進行で物語が進んでいくが、後半、プラモデルロボットが崩壊し、建材などで出来た「匿名的な何でもない」ロボットが現れることで、デザインされたシンボル群が解体される。最後には物語を構成する舞台装置、アイテム、キャラクターたちが「同じ小さなサイズで均質で等価な」3Dデータとして、主人公の少女の目前に現れる。タイトルは、日本各地に展開するショッピングモールの名前に由来するとともに、<消費社会への愛憎入り交じる思い><日本の一定の世代が共有する、記号のラインアップや物語内の閉じた自己完結的空間への関心><都市と自然の距離感>がシンボライズされている。

Delicate Boundaries (日本初公開)

クリス・サグリュ

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Delicate Boundaries (日本初公開)

クリス・サグリュ

精緻なセンシング技術を巧妙に扱うことによって、モニター内のバーチャルな存在と、リアルな身体との接点/境界にフォーカスした作品。会場に設置されたモニターには小さな虫のようなものがうごめく様子が映し出されており、観客がその画面に手を差し伸べると、虫たちが手に周りに集まってくる。やがて、虫たちはモニターから飛び出し、観客の手のひらを伝って腕まで這い上がってくる。観客はこの作品を通じて、自らがインターフェースやインタラクティビティに対して抱く、暗黙の期待や理解について認識ことができる。

Depth of the Field - Processing Photography Blink Series (改訂新作/世界初公開)

高尾俊介

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Depth of the Field - Processing Photography Blink Series (改訂新作/世界初公開)

高尾俊介

写真を鑑賞するという行為自体を作品に取り込むことで、写真と写真鑑賞、そして視線とイメージの関係に新しい結びつきを与える作品。観客が作品の前で瞬きをおこなうたびに、センサーがそれを感知し、スライドショーを1枚ずつ進めていく。
スライドショーを映し出す画面の大きさは、巨大なスクリーンとラップトップコンピューターのモニターの2種類用意されており、それぞれ表示されるスライドショーも異なる。これにより、画面が与える情報量やアフォーダンスの変化が、写真の見え方や体験にどのように影響するのかを比較することができる。

イベント

ワークショップ「ハンドメイドマウス」

2009年1月4日、5日、10日、11日

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ワークショップ「ハンドメイドマウス」

市販のマウスを分解/改造し、自分だけのオリジナルマウスを制作することで、フィジカルコンピューティングや、インターフェースデザインについての理解を深めるワークショップ。マウスの使い心地を検討していく過程で、コンピューターと人間との相違点を認識するとともに、 人間の特性に合わせて情報環境を創造する「ヒューマンインターフェース」という概念について実践的に学んでいった。
日時
2009年1月4日、5日、10日、11日
会場
創作学習室
クレジット
ファシリテーター:YCAM教育普及

プロフィール

クレジット

主催:

  • 財団法人山口市文化振興財団

後援:

  • 山口市
  • 山口市教育委員会
  • 福岡米国領事館/福岡アメリカン・センター

助成:

  • 文化庁

協賛:

  • カラーキネティクス・ジャパン株式会社

協力:

  • オオタファインアーツ

技術協力:

  • YCAM InterLab

企画制作:

  • 山口情報芸術センター[YCAM]
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